Adobe Creative Suitの改悪を消費者庁に報告する方法
暴虐のAdobe王国
お久しぶりのエントリーがこんな記事で大変申し訳無いのですが、さる5月13日、日本のクリエイティブ業界に激震が走りました。といいますのも、「CS6以降の製品が使い放題」がウリ文句だったAdobe Creative Cloudがユーザーに予告なく突如としてポリシーを変更しました。
端的に言ってしまえば、「Adobeが許可したバージョン以外は使っちゃダメです。」的な事を突如として言いだしたわけです。
詳しくは、Stocker.jpさんが詳細をまとめておりますのでこちらのツイートから御覧ください。
新しい記事を書きました。何が起きたのか、この件を不満に思っているAdobe CCユーザーはどうすれば良いのかについても書いています。
「CS6以降のアプリがいつでもすべて使える」という売り文句のAdobe CCが、事後報告すらなく過去のアプリが使えなくなった件 https://t.co/CYRshASoVT
— なつき@コーディングスクール開催 (@Stocker_jp) 2019年5月12日
独占業界ゆえのやりたい放題好き放題
Adobe製品と言えば、もはや業界標準と言っていいほどDTP業界や映像業界に普及しているクリエイティブソフトウェアの頂点ともいうべき存在です。パッケージ版を廃止し、CreativeSuitからCreativeCloudにサービスを変えサブスクリプション方式に移行した辺から嫌な予感はしていたのですが…。かといって代替ソフトを見つけるのも難しい状態です。特にAdobeはDVDオーサリングがお嫌いなようで、CCからEncoreを廃止しました。本邦では未だDVDメディアやBlue-rayメディアに需要があるため、CS6が使用不可となるとオーサリングするのも大変です。(実際僕もDVDオーサリングが必須な状態なので、Encoreが使えないのは大変な痛手です。)
Adobeは絶対王政ですから、「Adobe税を支払う我々民草はまたも黙ってAdobe王国の圧政に耐え忍ばなければならないのか…?」 と腹をくくる前に皆さん。 日本には消費者庁という味方が居るのをご存知ですか?
庶民の味方、消費者庁
消費者庁とは、日本の行政機関の一つで消費者保護を目的とした活動をしている内閣府の外局です。この消費者庁のWebサイトには「景品表示法違反被疑情報提供フォーム」という通報ページがあるのです。このフォームから簡単に通報することが可能です。
景品表示法とは
正しくは「不当景品類及び不当表示防止法」といい、端的に言ってしまえば誇大広告や虚偽の広告に関する消費者庁が管轄する法律です。今回のAdobeによる通知なしの変更は、「景品表示法の優良誤認」に該当すると考えられるのです。
次のパラグラフから今回の記事の本題に移りたいと思います。
消費者庁から景品表示法違反被疑情報を提供する
ここからが本題です。まずは消費者庁の報告フォームにアクセスします。
https://form.caa.go.jp/shohisha/opinion-0029.php
通報対象の事業者情報を入力
会社名又は名称:アドビシステムズ株式会社 / Adobe Systems Co., Ltd.
ふりがな:あどびしすてむず かぶしきがいしゃ
所在地又は住所:141-0032 東京都品川区大崎1-11-2 ゲートシティ大崎イーストタワー
ホームページ:http://www.adobe.com/jp/
報告者(あなた自身)について
こちらは通報者自身の情報を入力するフォームですが、任意のため入力しなくても報告は可能です。しかし、消費者庁から何らかのフィードバックが欲しい場合は実名による住所氏名を入力した方が良いかもしれません。
他の行政機関等への情報提供の可否、提供情報の種類の選択
情報提供の可否については、デフォルトで「すべて可」になっていますので、気にせずそのままにします。さて次が一番重要です。提供情報の種類の選択 は 必ず「不当表示」にチェックを入れてください。チェックを入れると新たな入力フォームが出現します。
不当表示入力項目
この項目は、報告対象の不当表示がどのように不当表示されているのか という項目になります。今回の問題を端的にまとめた下記情報をコピーして入力していだければよろしいかと思います。
表示媒体:ウェブサイト
表示時期:平成25年4月23日から令和元年5月まで
表示が行われた場所:アドビシステムズ株式会社公式Webサイト内
対象となる商品又はサービス:Creative Cloud https://www.adobe.com/jp/creativecloud.html
その表示内容:
「Creative Cloudは”CS6以降のアプリケーションがいつでも全て使えるサービス”となります。」という表示
表示から受けた印象:
表示からは、契約履行状態にある限り、常に上記サービスが享受できるものと認識される。
実際にはどうか:
契約者に何ら予告も事後報告もなく上記サービスを変更し、アドビシステムズ株式会社が認めるバージョン以外のソフトウェアの使用を制限した。優良誤認表示ではないのか。
情報の送信
ここまで入力できたら、それ以外の項目はスキップしてフォームを送信しましょう。「以上の内容で送信する」をクリックすると確認画面に移行します。
入力内容を確認し、誤りが無いことを確認したら再度送信ボタンをクリックして完了です。
皆様のご協力が必要です
Adobeによるいくつかの予告なしの変更はこれまでも行われてきました。(有名な例だと、2台同時使用可能だったものが、いつのまにか同時使用禁止になるなど)しかしながら、Adobe一般利用条件 17項アップデートと可用性 によれば、
当社は、有料サービスの変更については、(略)通知するために合理的な努力をします。
中止する場合、当社はお客様に「コンテンツ」をダウンロードするための合理的な時間を与えます。
と明確に表示されております。(本稿執筆年月日現在)
これまで通りSNSで愚痴や泣き言をこぼしていた所で仕方ありませんし、昨今のIT業界は日本を有益な市場と見てくれておりませんので動いてくれないかもしれません。しかしながら指を加えて見ているくらいであれば、コーヒー一杯飲むくらいの時間でできる消費者庁の報告フォームを一人でも多くのユーザーが利用してくださることで、Adobeが何かしらのアクションを返してくれるかもしれませんし、事態が好転するかもしれません。
消費者庁サイドも上がる声が多ければ多いほど重要な事柄として捉えてくれることと思います。Adobeユーザーの皆様に置かれましては、ぜひのご協力をお願いいたします。
コメントを残す(匿名可)